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日本のポリオワクチン接種について,個人的に問題に感じていることが2つあります。

1つは,昭和50年から52年に生まれた年齢層は,子どもの頃にワクチンを接種していても,抗体の保有率が他の年齢層に比べて低いということ。

この年齢層の方は,例えば,ポリオワクチンを接種した直後の赤ちゃんのお世話をすると,ポリオに感染する可能性があるとのこと。

つまり,現在接種されているポリオワクチンは生ワクチンなので,ウイルスが体外に排泄され,排泄物のお世話をする際等に感染することがあるようです(「極めて稀に」だそうです)。

ですので,これらの年齢層の方がポリオ患者発生国に渡航するとき,ご家族がポリオの予防接種を受けるときには,ポリオの追加予防接種を受けることが勧められているようです(後述のようにワクチン接種自体にもリスクがあります)。

なんで,この世代だけという疑問もありますが,そういった情報を知らない方が多いというのも問題だと思います。



2つめは,日本で生ワクチンしか認められていないこと。

WHOによれば,生ワクチン投与を続ける限り,100 万人に2人から4人のポリオ患者が発生するとのこと。
厚生労働省は440万例に1例と説明していますが,実際に,ワクチン接種を受けた子どもに障害が発生している例が存在します。

しかし,ポリオワクチンを生ワクチンから不活化ワクチンに切り替えれば,被害は防げます。

WHOは,ポリオが根絶した地域(日本などの先進国)で生ワクチンを使い続けることは,野生株や実験室でのウイルスからの脅威よりリスクが高いとして,不活化ワクチンに変更すべきとしています。

他の先進国(30カ国)では,すでに不活性ワクチンを使用しているので,不活性ワクチンを輸入すればいいだけの話ですが,厚生労働省はこれを認めていません。

まったく納得できない話です。


ちなみに,私は,自分の子どもにも生ワクチンのリスクを負わせるのは嫌なので,外国人向けの病院で,輸入不活性ワクチンを接種しました。
昭和51年生まれの自分への追加接種も不活性ワクチンです。

これはリスクに対する個人の考え方だと思いますが,そのような手段もあるので書いておきます(推奨するわけではありません)。


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弁護士日向一仁@東京銀座法律事務所
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