渋谷の法律事務所 弁護士日向一仁のブログ

渋谷駅近くの法律事務所「東京渋谷法律事務所」の代表弁護士日向一仁のブログです。

法律・判例情報

判例時報に掲載されました

こんにちは、渋谷の弁護士日向です。

判例時報の平成29年5月1日号に私の取扱案件が掲載されました(判時2323・130、東京地裁立川支部平成28年2月5日判決)。

事案としては、面会交流審判の記録中プライバシー関係部分を第三者に配布等したことについて人格権侵害不法行為の成立が認められ、かつ人格権侵害に基づく配布等差止請求が認められたというものです(当方の請求が認容)。

判決では、
・家事事件が非公開であること、
・極めてプライベートな問題を取り扱うため、事件記録の謄写は当事者等に限られるなどして、安易に第三者に公開されることは予定されていないこと
などから、プライバシー権侵害が認められました。

また、名誉棄損の成立も認められています。

慰謝料請求だけでなく、差し止め請求も認められた点は珍しい事例ではないかと思います。



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最高裁の判例に関するコラムが掲載されました

「預金債権が遺産分割協議の対象になる」という判断を示した最高裁判例の変更について、取材を受けました。

実務上、大きな影響のある判例変更ですので、よろしければご確認ください。

https://souzoku.how-inc.co.jp/topics/5653718




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離婚の慰謝料額の相場

離婚の律相談で多い質問が、

「離婚したら慰謝料をいくらもらえるのか?」

「離婚したいが、いくら慰謝料を支払えばよいのか?」

という、慰謝料額についてのご質問です。



相手が浮気した場合に、離婚と慰謝料を請求する場合であれば、裁判所が決める慰謝料は200万円前後、多い方で300万円という感じではあります。

しかし、協議離婚や調停などで当事者間で話し合う場合や、結婚していた期間、浮気の態様、離婚までの経緯などでも異なります。

離婚原因が浮気以外の場合には、離婚原因に応じて異なります。



また、相談者の方が浮気をした場合で、かつ相談者から離婚を請求したいという場合には、有責配偶者からの離婚請求といって、基本的に離婚請求が認められません。

そのため、相手が離婚に応じない限りは、離婚できません。

この場合には、相場に関係なく、相手が納得する金額でなければ離婚ができませんので、非常に厳しい金額になることもあります(500万円、1000万円という例もあります)。



なお、芸能人など有名人の離婚で、「慰謝料○千万円」等と報道されることもありますが、ニュースでは「慰謝料」という言葉を厳密には使っていないことが多く、財産分与を含めた解決金である場合もあります。

離婚調停での双方の当事者本人立会いによる手続説明

離婚調停では、従来、当事者双方が調停の場で顔を合わせずに調停を進める方式がほとんどでした。

しかし、平成25年1月から、東京家庭裁判所では、双方当事者本人立会いによる手続説明等の実施がおこなわれるようになりました。

この新しい運用により、調停期日の始めと終わりに、双方の当事者本人が調停室に立ち会った上で、裁判所から、手続の説明、進行予定や次回までの課題の確認等が行われます。
代理人がついていても、本人の立ち会いが必要ということです。

したがって、調停期日始めと終わりだけは、相手方と顔を合わせる必要が生じてしまいます。

DV(精神的暴力,性的暴力も含む)等の問題が窺われる等により立ち会うことに具体的な支障がある場合は実施しないとのことですが、どの程度で「具体的な支障」があると認められるのかは不明です。

具体的な支障を疎明できなくても、相手方の暴言や行動に怯えている依頼者もいます。

そのような場合でも立ち会いが必要ということなれば、調停手続を利用することに躊躇する方もでてくると思います。

新しい運用は、手続きの透明性の確保ということが主眼のようですが、そうであれば代理人がいればよいのであり、代理人がついている場合にまで、本人の同席を強制することは疑問です。

裁判所は、柔軟に実施するということではありますが、この運用については慎重になっていただきたいと思います。


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敷引特約の有効性に関する最高裁判所の判断

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賃借人が退去する際に,賃貸人が,賃借人から賃貸借契約締結時に預かっていた保証金の一部から一定額を控除して賃借人に返還する,いわゆる敷引き特約(関西に多い特約です)の有効性が問題となっていました。
最高裁判所は,平成23年3月24日及び同年7月12日に,それぞれ敷引きの有効性を認める判決を出しています。

平成23年3月24日判決は,
「消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約は,信義則に反して賃借人の利益を一方的に害するものであると直ちにいうことはできないが,賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる損耗や経年により自然に生ずる損耗の補修費用として通常想定される額,賃料の額,礼金等他の一時金の授受の有無及びその額等に照らし,敷引金の額が高額に過ぎると評価すべきものであるときは,当該賃料が近傍同種の建物の賃料相場に比して大幅に低額であるなど特段の事情のない限り,信義則に反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するものであって,消費者契約法10条により無効となる」
との判断基準を示しました。
 そして,この事案では,①敷引金の額が賃料月額の2倍弱ないし3.5倍強にとどまっていること,②賃借人が,賃貸借契約が更新される場合に1か月分の賃料相当額の更新料の支払義務を負うほかには,礼金等の一時金を支払う義務を負っていないことなどから,敷引金の額が高額に過ぎると評価することはできないとしています。

平成23年7月12日判決は,前述の平成23年3月24日判決を引用した上で,
①賃貸借契約書では,1か月の賃料の額のほかに,被上告人が本件保証金100万円を契約締結時に支払う義務を負うこと,そのうち本件敷引金60万円は本件建物の明渡し後も被上告人に返還されないことが明確に読み取れる条項が置かれていたことから,賃借人が自らが負うこととなる金銭的な負担を明確に認識した上で本件契約の締結に及んだものといえること。
②賃料は,契約当初は月額17万5000円,更新後は17万円であって,本件敷引金の額はその3.5倍程度にとどまっているので,高額に過ぎるとはいい難いこと。
③本件敷引金の額が,近傍同種の建物に係る賃貸借契約に付された敷引特約における敷引金の相場に比して,大幅に高額であることもうかがわれないこと。
を理由に,敷引特約を有効としています。

地裁や高裁では,借主側の主張を認める判断もありましたが,最高裁で敷引特約を有効とする判断が続いたことで,賃貸人有利の流れができたといえます。

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弁護士日向一仁@東京銀座法律事務所
URL:http://www.tokyo-law.jp/
自己紹介
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弁護士 日向一仁

東京弁護士会所属
東京渋谷法律事務所

取扱分野は企業法務・民事事件全般(離婚事件、損害賠償請求、不動産紛争、相続等)・労働問題・刑事弁護。
趣味はマラソン、トライアスロン。
フルマラソンの自己ベストは,4時間1分21秒。

事務所ホームページ
http://www.tokyo-law.jp/

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