先日,NHKの「追跡!AtoZ」で
「“正義の味方”はなぜ堕ちた ~急増する弁護士トラブル~」
という番組をやっていました。
弁護士の数は,司法制度改革で大幅に増加していますが,その弊害として弁護士によるトラブルが増えているようです。
この問題は「ごく一部の悪徳弁護士が悪いだけ」と,簡単に片付けることはできません。
弁護士による消費者トラブルや、裏社会への弁護士の流入を見逃していては司法制度改革の意味がないでしょう。
司法制度改革は,弁護士が増えると,競争原理が働いてより良いサービスが提供されるという前提だったと思いますが,弁護士を使いたいという方にとっては,そもそも弁護士に関する情報(番組では懲戒歴が指摘されていました)がまだ不十分なようです。
弁護士ドットコムも紹介されていましたが,弁護士情報へのアクセスは,ますまず需要が増えるでしょうね。
しかし、弁護士数増加による修習生の就職難はかなり深刻なようです。
番組では、司法制度改革が前提としていた弁護士需要の予測が外れたと言っていましたが、外れたことが明らかになった今でも特に路線変更はなく、状況は悪化するばかりです。
マスコミには、司法制度改革の検証もやってほしいです。
弁護士日向一仁@東京銀座法律事務所